ところ狭しと試作が並ぶアトリエ。
UNKAIの施釉と本焼きを行う伸光窯では
実に一年以上にわたり試作が繰り返されました。
しっかりと時間をかけて、伸光窯でしかできないモノを生み出す。
5代目当主の田中氏は、すぐにマネされるような
安易なモノづくりを良しとせず、日々研鑽を続けています。
流れる釉薬から立ち上がる雲海。
その幻想的な器肌を実現するには
均一性と堅牢性を併せもった型、生地、焼成が必要でした。
歪みのない美しい円を携えたUNKAIの造形を
支えるのが丸朝製陶所の技術です。
「個性を表現できる仕事をする」と
まるで作山という一人の作家が存在するかのように
話すのは作山窯三代目・髙井宣泰氏。
作山窯では100種類以上の釉薬と14種類の土、
3通りの焼き方を組み合わせ、
自らの個性を磨き上げた作品を送り出しています。
艶と色のない世界。
一聴すると冷ややかな印象を持つ言葉ですが、
艶と色はなくともその表面の柔らかな陰影が
静謐な空間と安らかな時間を感じさせる器が
「cekitay-セキテイ-」です。
無釉の「はくさ」、マット釉の「いし」、
セキテイの洗練された造形が求める高い精度は、
京陶窯業でなくてはなしえない技術の結晶です。
器は生きている。
意図して表面にヒビを発生させる技術
「貫入(かんにゅう)」は、
器を焼く際に生地とその上に掛けるガラス釉の
収縮率の違いによって起こる現象を言います。
その貫入は焼き上がりでは止まらずに使っていても
少しずつ増えていくのです。