LIVING TALK

竹堂園
竹堂園 HASU-ハス-

器に生を与える職人の釉

器は生きている。
意図して表面にヒビを発生させる技術「貫入(かんにゅう)」は、
器を焼く際に生地とその上に掛けるガラス釉の収縮率の違いによって起こる現象を言います。
貫入は焼き上がりで止まるのではありません。日々使っていくうちに少しずつ増えていくのです。
昨日までなかった新たな線を発見すると日々成長する生き物のようだと感じると同時に、
暮らしを共にする仲間のように器が愛おしく思えてきます。

竹堂園

ガラス釉に秀でる竹堂園では、島倉隆氏が職人として全てのガラス釉を一人で担当します。
施釉はまずガラス釉の濃度の確認から始まります。
計測器の数値だけではよしとせず、必ず釉に素手を入れて動かした感触で確かめるのは、
釉薬の厚みによって貫入の入り方が左右されるため。
濃度の確認は大事な工程の一つです。

竹堂園

そして焼成も繊細です。
特に緑色は焼成工程でまわりに色を移してしまうので、
窯の中に緑色専用の場所を確保します。
しかも窯いっぱいに詰められないので一度に焼ける量が他に比べて少ないのです。

竹堂園

「HASU-ハス-」がスタッキングできるのは、釉薬の厚さだけでなく、焼きも均一だからこそ。
精度の高いものづくりへのこだわりが感じられる器です。
さらにハスはこれまでガラス釉を施したどの器よりも薄いのです。
とてもデリケートな器であると職人は語ります。

竹堂園

竹堂園は今でもガラス釉の職人技が活きている貴重な窯元です。
施釉の技もさることながらガラス釉のための生地も自社製というこだわりをもっています。 私たちは器に生命を宿す貴重な職人技をハスに乗せて日本から世界へ届けます。

HASU-ハス-

貫入で表現された葉脈と、鮮やかな緑釉が蓮の葉を想起させる器です。ハスが並べられた卓上には池の風景が広がり、食卓を瑞々しく彩ります。
容器の縁と皿の高台に設けられた切れ目によって、スプーンを入れたまま蓋をして収納できます。
皿の切れ目は箸おきやカトラリーレストの役割も果たし、機能と意匠を兼ね備えています。

HASUを見る

MAKING